治療の回数の不思議

体調が不良であったり、慢性の痛みがあったり、鍼灸院には様々な悩みの患者さんが来院されます。

対処療法で誤魔化した治療はしていませんから、みなさん根本治療を受けていただくための検査とカウンセリングをします。

カウンセリング時に治療計画をお伝えする訳ですが、その方の根本原因の根深さやどのぐらい前から一連の症状が出始めたなどを考慮して、根本原因を治すための最低限の期間と最低限の回数をお伝えしています。

治療効果を上げる時に一番大切な事とは。  ズバリ腕です!   いや違います治療の回数です。

『治療を間隔を開けないで繰り返す』これがどんなゴッドハンドにも勝る最強の治療法になります。

こんな例があります。

60代の女性で、夜中に首から背中にかけての激痛でその日は寝れなかった。

医院で検査を受けると頸椎後靭帯硬化症という難病であると。痛み止めをもらい定期検診で様子を見ますとの事。

メンテナンスで通っている患者さんのお母さんの例で、患者さんからのご相談を受けました。

一度来院していただいて、問診・検査をすることになりました。

問診・検査が済んで治療法も決まったのですが、なんと言っても難病です。難病を解決する事は非常に困難を極めます。

逆にいうと解決できるという事自体がナンセンスな問題になってしまいます。

鍼灸で出来る最大なことを目指して取り組まないといけません。

鍼灸にできること、、、少しでも首の負担を減らして痛みを緩和し、出来れば進行を遅らせたい。そういう思いで作戦を立てました。

鍼灸は体の機能を賦活させて自然回復力を最大限呼び起こすのが最大の魅力です。

この自然回復力を難病に対しても発揮させたい。もうゴッドハンドか名人級の治療で行くしかありません。

ゴッドハンド・名人級。   それは圧倒的な治療回数という事に他なりません。

一日2回の治療を毎日3ヶ月続けることを計画。なんと3ヶ月の間に180回の治療回数です。

幸い患者さん自身が鍼灸学校を卒業しており、自宅で毎日お母さんを治療できる事からこの計画をスタートしました。

月に1回当院に来ていただき、検査と進捗状態を確認しながらの計画となります。

患者さんは鍼灸学校を卒業はしていますが、まだ治療する知識と技術と経験がない事から、こちらで指定したツボ一ヶ所に針をする非常に簡素な治療とします。

最初の狙いは顎関節の歪みを正す事に集中した治療を、1ヶ月続けてもらいました。

驚いた事に、この1ヶ月の治療でほぼ痛みが出なくなり痛み止めも飲まなくなりました。

2ヶ月目は頸椎の1番2番の歪みを正すことに集中した治療として、さらに1ヶ月続けてもらいます。

3ヶ月目も頸椎の1番2番の歪みの治療です。

先日3ヶ月が終わっての検査をしましたが、驚くべき結果でした、

現在痛みはなく薬も服用していない状態。頸椎後靭帯硬化症は3ヶ月後に医院での検査予定ですので、評価はしていません。

実は元々甲状腺機能低下症の基礎疾患があり医院での検査結果を持参してくれました。

そこには、甲状腺ホルモンー正常値・甲状腺刺激ホルモンー正常値・コレステロール値ー正常とあり、甲状腺機能低下症に大幅な改善が見られることが記してありました。

これぞまさに、ゴッドハンド・名人級の治療です。

さらに3ヶ月現状の治療を続けていくことをお話しして、今頑張ってもらっています。

この様に本当の素晴らしい治療というのは、知識や技術や経験が優先するのでは無く、先ずは治療回数が最優先であるのはご理解頂けると思います。

次に経験、技術、知識がより治療期間を短くするのに役立ってくれます。

誠に不思議な治療回数のお話でした。この患者さんの続きは3ヶ月後にまたご報告しますね。

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